6月19日に参議院本会議で可決、成立した、改正政治資金規正法、「日本版DBS」法、改正地方自治法、改正子ども貧困対策法について簡単にまとめました。
改正政治資金規正法
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた改正政治資金規正法は、参議院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立しました。衆議院で賛成した日本維新の会は、他の野党とともに反対に回りました。法律は一部を除き、2026年1月1日から施行されます。
改正のポイント
・政治資金収支報告書の「確認書」作成を国会議員に義務付け
議員が確認を怠った場合は公民権停止、50万円以下の罰金
・政治資金パーティー券の購入者の公開基準額を、20万円超から5万円超に引き下げ
・政党が議員に支給する政策活動費は、項目ごとの金額、年月を記載
領収書などは10年後に公開を検討
・国会議員関係政治団体の収支報告書等のオンライン提出とインターネット公表を義務化
・議員が政治資金規正法違反で起訴された場合、政党交付金を一部減額する制度を創設
・政治資金の透明性確保のため、監査する第三者機関を設置を検討
改正法関連の主な政党の発表
・政治資金規正法改正案が成立 – 自民党
・政規法、再発防止の要に – 公明党
・岸田政権は「政治改革をやり過ごしたい」 内閣不信任案を提出 党首討論後に泉代表が表明 – 立憲民主党
・日本維新の会
・政治資金規正法改正案の成立に当たって(談話) – 国民民主党
・日本共産党
・れいわ新選組
※発表が見当たらない政党はトップページを掲載しています
関連リンク
・政治資金規正法の改正案、衆院を通過 – 政策ニュース.jp(2024年6月6日)
・政治資金規正法の一部を改正する法律案 – 参議院
「日本版DBS」法
子どもを性被害から守るため、子どもに接する仕事に就く人に性犯罪歴がないかを確認する「日本版DBS」創設などを盛り込んだ法律です。参議院本会議で全会一致で可決、成立しました。学校や保育所、学習塾などの事業者(雇用主)が、こども家庭庁を通じて法務省に照会し確認することを義務付けます。性犯罪歴がある人は、刑の終了から最長20年、関連する仕事に就業できないなど制限されます。2026年度に施行される予定です。
「DBS」は、英国のDisclosure and Barring Service(前歴開示および前歴者就業制限機構)の略です。
関連記事
・【図解】日本版DBSの仕組み – 時事通信社(2024年6月19日)
・食料供給困難事態対策法案など、今週衆院を通過した法案 – 政策ニュース.jp(2024年5月23日)
関連リンク
・学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案 – 法案の概要 – こども家庭庁
・学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案 – 参議院
改正地方自治法
大規模な災害や感染症の流行など、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生した場合に、国が地方自治体に対して必要な指示などができる特例が盛り込まれています。ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申を踏まえ改正されます。
国が自治体に対して資料や意見の提出を求めることができるようになり、必要な指示や手続きを補完して自治体の事務処理を支援します。さらに、都市部の特定事務を迅速に処理するための調整機能や、自治体への職員派遣制度も導入されます。各大臣が生命等の保護の措置に関する指示を行った場合、その内容を国会に報告する規定が追加されました。デジタル・トランスフォーメーションへの対応も盛り込まれています。今年9月に施行される予定です。
関連リンク
・地方自治法の一部を改正する法律案 – 法案の概要など。総務省
・地方自治法の一部を改正する法律案 – 参議院
改正子ども貧困対策法
超党派の「子どもの貧困対策推進議員連盟」がまとめたもので、困窮家庭の子どもの経済的支援、民間団体への財政支援などを推進します。
関連リンク
・こどもの貧困対策 – こども家庭庁
・子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案 – 法案の概要。衆議院
・子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案 – 参議院
関連リンク
・法律案の提出・成立件数 第213回国会(常会)(令和6年1月26日~) – 内閣法制局