「今、開かれているのは何国会?」こう聞かれて、すぐに答えられる方はどれくらいいるでしょうか。答えは「特別国会」です。
2026年1月23日、第220回通常国会は召集されたその日のうちに衆議院が解散され、わずか1日で幕を閉じるという異例の事態となりました。そして、その約1カ月後の2月18日、特別国会が召集され新たな首相が選出されたことは大きなニュースとなりました。
国会は、私たちの生活に大きな影響を与える重要な機関です。その国会には「常会(通常国会)」「臨時会(臨時国会)」「特別会(特別国会)」という3つの顔があります。
※これらに加え、衆議院が解散中で国に緊急の必要が生じた場合、内閣の求めに応じて参議院だけで開催される「参議院の緊急集会」を挙げることもあります。
本コラムではその国会の種類について簡単に解説します。一緒に、政治をもっと身近に感じてみませんか?
執筆者:亀岡さやか(紀尾井町戦略研究所(KSI)上席コンサルタント)
※ここで述べる内容は、筆者の個人的な見解であり所属組織の立場や意見とは異なる場合があります。
通常国会―日本政治の年次舞台―
毎年1月に召集される通常国会は、日本の議会政治における最も重要な場です。 会期は150日間と定められており、召集日から起算されますが、議員任期満了日が会期中にある場合はその日で終了します。会期延長は1回のみ認められており、臨時国会と特別国会の延長が2回まで認められていることとは異なる仕組みです。 延長期間は衆参両院の一致した議決によって決定されます。
会期や会期延長の議決には衆議院の優越という重要なルールがあります。両院の議決が一致しない場合、または参議院が議決しないときは、衆議院の議決が優先されます。通常国会に限らず、以下で述べる臨時国会、特別国会も同様です。
召集手続きでは天皇が召集詔書を公布しますが、召集日の少なくとも10日前までに行われなければなりません。この期間設定により、議員や関係者が準備を整える時間が確保されます。
通常国会は予算審議を中心に、国政の基本方針を決定する重要な政治舞台として、毎年恒例の役割を果たしています。
臨時国会―必要に応じて開かれる柔軟な議会―
臨時国会は必要に応じて開かれるもので、召集の契機は三つあります。一つ目は議員による要求です。日本国憲法では、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならないと定められています。しかし、実際に臨時国会を召集するかどうかの最終決定は内閣が行います。つまり、議員の要求があったとしても、必ずしも臨時会が開かれるわけではありません。二つ目は、議員の要求によらずとも、内閣が必要と判断する場合です。緊急を要する災害対策のための補正予算や法律案の審議など、臨時に必要がある場合に内閣が召集します。三つ目は選挙後の召集で、衆議院の任期満了選挙または参議院通常選挙後、新議員の任期開始日から30日以内に召集することが義務付けられています。
会期は法定されておらず、衆参両院の一致した議決で決まります。会期延長は2回まで可能で、通常国会の1回のみと比べて柔軟な運営が可能です。
特別国会―新政権誕生の重要な舞台―
特別国会は衆議院解散による総選挙後に必ず開かれ、新しい内閣総理大臣を指名する重要な場です。召集時期は総選挙の日から30日以内と定められています。これは選挙で示された民意を速やかに政治に反映させるための規定です。会期は法定されておらず、衆参両院の一致した議決で定められます。会期延長は2回まで可能で、臨時国会と同じ扱いとなっています。特別国会は政治的転換点で開かれ、新政権の方向性を決める極めて重要な役割を担っています。
2024年の総選挙後に開かれた第215回特別国会の会期は4日、その前の2021年の総選挙後に開かれた第206回特別国会の会期は3日で、近年の特別国会の会期は数日程度の短い期間に設定されることが多くなっています。これと比べると、現在開かれている特別国会の会期は150日間で様相が異なります。これは、冒頭に述べたとおり、2026年1月23日に召集された通常国会が衆議院解散に伴って1日で閉会し、実質的な審議が行われなかったことが背景にあります。もともと通常国会での審議を想定していた予算案や重要法案の成立を図るのに十分な時間を確保しようとする政府・与党の意図が働いたと言えるでしょう。
おわりに
このように、国会にはそれぞれ異なる役割と召集要件があります。2026年1月の第220回通常国会のように、わずか1日で解散となるケースはまれですが、このような出来事こそ、国会の仕組みを知る良い機会となります。
第221回特別国会の当初会期は、2026年7月17日までとされています。新しいリーダーシップの下、日本はどのような政策課題に取り組んでいくのか。今後の国会運営と新政権の実績が注視されています。
税金、医療、教育、働き方など、私たちの暮らしに直結するものの多くは、国会での議論を経て決定されます。国会の種類や役割を理解することは、私たち一人ひとりが政治に関心を持ち、民主主義を支える第一歩だと私は思います。
参考サイト
衆議院HP
・日本国憲法
・国会の召集と会期
・国会法
・国会の権限
首相官邸HP
・国会に関するよくある質問








