2025年度補正予算は12月16日、参議院本会議で自民党・日本維新の会の与党に加え、国民民主党、公明党などの賛成多数により可決・成立しました。一般会計の歳出総額は18兆3,034億円で、コロナ禍を除き過去最大規模となりました。
高市早苗政権初の総合経済対策の裏付けとなる今回の補正予算は、前年度から約31%増加。財源の6割超にあたる11兆6,960億円を国債追加発行でまかないます。
歳出のうち経済対策関係経費（17兆7,028億円）は4つの分野で構成され、「生活の安全保障・物価高への対応」（8.9兆円）では、電気・ガス代支援や子ども1人2万円の「物価高対応子育て応援手当」、重点支援地方交付金2兆円積み増しなどを盛り込みました。
「危機管理投資・成長投資」（6.4兆円）にはAI・半導体、宇宙戦略基金、国土強靱化など成長分野への投資が並びます。「防衛力と外交力の強化」（1.7兆円）により、防衛費は約11兆円となりGDP比2%目標を2年前倒しで達成しました。予備費7,098億円も確保しました。
1：生活の安全保障・物価高への対応：8兆9,041億円
→ 足元の物価高への対応
厳冬期の電気・ガス代支援（5,296億円）
物価高対応子育て応援手当の支給（3,677億円）
重点支援地方交付金の拡充（2兆円、うち食料品物価高騰対策4,000億円）
→ 地方の伸び代の活用と暮らしの安定
医療・介護等支援パッケージ（1兆3,832億円）
いわゆる高校無償化への対応（2,950億円）
→ 中小企業・小規模事業者の賃上げ環境の整備
賃上げに向けた中小企業等の稼ぐ力の強化等（8,410億円）など
2：危機管理投資・成長投資による強い経済の実現：6兆4,330億円
→ 経済安全保障の強化
AI・半導体産業基盤強化（2,525億円）
宇宙戦略基金（2,000億円）
量子技術イノベーションの推進（1,286億円）など
→ 防災・減災・国土強靱化の推進
国土強靱化（1兆5,500億円）
自然災害からの復旧・復興（能登等、7,417億円）など
3： 防衛力と外交力の強化：1兆6,560億円
→ 外交・安全保障環境の変化への対応
防衛力整備計画対象経費（5,021億円）
米軍再編事業（3,451億円）
※関連経費と合わせて1.1兆円（GDP比2%を前倒し達成）
→ 米国関税への対応
日米戦略的投資イニシアティブ（3,700億円）など
4： 今後への備え（予備費の確保）：7,098億円
国民民主党が求めたガソリン税暫定税率廃止や公明党が要望した子育て応援手当が盛り込まれ、幅広い賛成を得ました。減税を含む国費等合計は21.3兆円規模となります。
関連サイト
・令和7年度補正予算 – 予算のフレームや概要など。財務省
・令和7年度補正予算（第1号及び特第1号）等の説明 – 財務省
・令和7年度補正予算議決 – 参議院
・第219回臨時国会閉会をうけて高市内閣総理大臣記者会見 – 自民党
